2013年11月13日水曜日

北書店も時には「ブック&ビール」



「本の雑誌」最新号の特集、『町から本屋が消えてゆく!?』
寄稿させていただきました。北書店開店から、これまでの三年半のことなどを
ザックリと。題して「北書店の三年半」です。そのままですがよろしかったら
ご一読ください。

この特集については、ご指名いただいた時点で、9月に閉店した神戸の名店
「海文堂書店」のことがまずあるんだろうなと思われたので、少しそのあたりも
意識して書きました。北光社閉店からの流れを。なので普段北書店をご利用
いただいているお客様にはあまり新鮮味がない話題かも、と今思った。
だけどたくさん仕入れたので皆様(あなた)、どうぞよろしくです(深々)

本屋の特集って多いなあ、と思いつつも、本屋に通う人なら、そもそもが本屋好き率も
高いだろうからそれも当然か、とも思えて。たしかに最近目立つけど、過去を振り返っても
常に一定の需要がある本屋特集。バックヤードに結構なストックがあります。閲覧用に
並べてみようかな。

それでもってそこに「町の」という言葉がくっつくとまた違う文脈が生まれるわけで。

「町の本屋」を語るときにつきまとう、郷愁のような感情。これは非常によくわかります。
ただそれをこれからも維持していくにはどうすればよいのか、という論調になってくると
どうにもわからない。記憶の中の本屋って、今に置き換えたら実はその役割を果たして
いるのが、全国津々浦々ににチェーン展開している本屋さんなんじゃないのかなあと。
普通にそこにあるから無意識に通っていたという点から考えても。多かれ少なかれ、
店に不満があるところも含めてね。不満がないならないで、近所にそういうお店が
あるのは最高。

俺大っ嫌いだったよ。近所の本屋のオッサン。嫌味なことばっか言うしすぐ怒るし怖いし。
小学校の頃だけどね。だけど今は大好き。無性に懐かしい。あの頃、って書くと
漠然としてしまうけど、今から約20年くらい前まで、「町の本屋」なんて言わなかった
んじゃないのかな。単に「本屋」というだけで。だってそこにしかないんだもの。
それくらい当たり前だったものが、今は当たり前ではなくなったから「町の本屋」特集が
じゃんじゃん組まれるんだよなあ。なんてことをグルグル考え出すともう、なんだか
よくわかんなくなります。めんどい。


ただそういう特集に取り上げていただくことで、新潟市で「北書店」とかいう新刊書店を
開いた人がいますよ、という、今となっては物珍しいサンプルとして、ヒマつぶし程度に気にして
いただけたら幸い。おかげさまで、思わぬ遠方よりご来店くださる方もいらっしゃって。
昨日は札幌、今日は熊本、というような。ありがたい話です。

それとこの便利な時代に、「わざわざ」ここで指名買いしてくださるお客様。
必要以上にお待たせしてしまうことも度々で、イベントなんかが重なると、さらに迷惑かけてしまう。
それでも通ってくださる人たち。面倒な思いをしてまでそこで買う、という人たちのいる世界。
そういうことがまかり通っちゃう世界。全国に流通させるような戦略はないけれど、
その事実だけとっても特筆すべき業種ではないですか。

何の話だっけ・・すいません!イベント告知でした。
迷惑かけてばっかりでと反省しつつ、面白そうな本を仕入れるような感覚で、
これからもイベントのお話があればいくらでもやります。これ戦略とは違うなあ。
ただ「面白そうだ」、ということのみ。


会って話してみたい人がいます。


「街の本屋」を高らかに宣言し、昨年下北沢にオープンした新刊書店の「B&B」

ブックコーディネーターの肩書きをもつ内沼晋太郎さんと、博報堂ケトル代表の嶋浩一郎さんが
共同で開業したB&Bという「街の本屋」は、郷愁の中のそれとは明らかに違う試みで
常に話題を提供し続けているお店です。店名の由来は「book&beer」。本とビール。

今回、その経営者のお1人である内沼晋太郎さんをお招きして、昨年の秋に開催した
恵文社の堀部店長との企画、「本屋鼎談」の第2弾を開催します。「本屋鼎談」ということで、
昨年に続いてご参加いただく、もうお一方はもちろん、「『本屋』は死なない」著者の石橋毅史
さんです。

この企画を実現できるのは、今年の3月に、私が石橋さんにお誘いを受けて参加した
神保町での講演を聞きに来られていた出版業界の方(若者)とのご縁があります。

その後思うところあって退職し、今後も何かしら出版に関わっていたいと考えたときに
なにか独自で紙媒体を作ろうと決め、ついては北書店を取材したいとのお話を受けました。

そのときに、彼にはB&Bとも接点があることを知った私は、「北書店単独の取材よりも
B&Bとなにかセッティングしてよ」という逆提案をし、それを快諾いただいた、という経緯が
あります。ですので以下のイベント概要文は、その彼によるテキストを引用させていただきます。


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本屋鼎談 〜これからの街の本屋〜 

日時:2013年11月27日(水) 18:30開場 19:00開始
参加費:1000円
会場:北書店
お申し込み方法:北書店店頭,お電話,メール


ブックコーディネーターの肩書きをもち、昨年、下北沢に本屋B&Bをオープンした
内沼晋太郎さん。2013年11月には、『本の逆襲』(朝日出版社)を上梓されます。 
B&Bでは、イベントを毎日開催したり、ビールを販売するなど、ユニークな試みを
行なっています。 「これからの街の本屋」を目指すというB&B。これから本屋は
どうなっていくのか? 本と本屋。店主とお客さん。B&Bでの実例も交えながら、
本や人の関係から見えてくる「本の現在」をお話いただきます。 今回は、内沼さんと
ともに、『本屋は死なない』(新潮社)の著者で、ノンフィクションライターの石橋毅史さんを
お迎えして鼎談形式でお送りします。


●出演者プロフィール

【内沼晋太郎(うちぬま しんたろう)】 























1980年生まれ。 numabooks代表/本屋B&B共同プロデューサー ブック・コーディネイター/クリエイティブ・ディレクター 著書に『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版/2009) 最新刊『本の逆襲』(朝日出版社)を2013年11月に刊行予定。

【石橋毅史(いしばし たけふみ)】 1970年東京都出身。 1998年出版業界紙
『新文化』に入社、2005年から編集長、2009年末退職。


【佐藤雄一(さとうゆういち)】1973年生まれ。1996年~2010年北光社勤務。
2010年、北光社閉店後、同年4月に北書店開業。

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さてさてどんなお話をしようかな。町の本屋について、なんて思ったり書いたりするのは
少し億劫なときもあるけれど、ひとたび本屋同士が集まれば、そりゃもう侃侃諤諤やりますよ。
私はともかく、内沼さんの斬新な発想や経営センスを吸収したいという方、本屋に興味の
ある方はもちろん、本屋さんにお勤めの方も!県外の方もいかがでしょう。
トーク終了後は内沼さん、石橋さんを囲んでの懇親会北酒場(北書店で時々やる飲み会)も
開きます。こちらもご希望の方はぜひご参加ください。

それでは、皆様のお申し込みをお待ちしています。